WSL2インストール条件
WSL(Windows Subsystem for Linux)にはWSL1とWSL2のバージョンが存在しますが、WSL2をインストールするためには以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- Windows11
- x64システム Windows10 バージョン1903 ビルド18362以上
- arm64システム Windows10 バージョン2004 ビルド19041以上
以前のインストール手順
以前は
1.「Windowsの機能」から「Linux用Windowsサブシステム」にチェックを入れて有効化する
(2~4の手順を行わず、このタイミングで再起動することでWSL1がインストールされる)
2.「Windowsの機能」から「仮想マシンプラットフォーム」にチェックを入れて有効化する
3.Linux カーネル更新プログラム パッケージをダウンロード
4.WSL2を既定のバージョンとするコマンドを実行
wsl --set-default-version 2
5.MicrosoftストアよりインストールしたいLinuxディストリビューションを入手(インストール)する
といった手順が必要でした。
現在のインストール手順
現在はPowerShellからのコマンド一つでWSL及びLinuxディストリビューションのインストールまで完了します。
PowerShellを管理者権限で起動する
スタートボタンをクリックして「pow」と入力すると以下のようにPowerShellの画面が出るので「管理者として実行する」を選択する。
インストールできる有効なディストリビューション一覧を表示する
以下のコマンドを実行してWSLにインストール可能なディストリビューション一覧を確認します。
wsl --list --online
20.04 LTSをインストールする
以下のコマンドを実行して、WSLの有効化及びUbuntu 20.04 LTSをインストールする。
「-d [ディストリビューション名]」のオプションをつけずに「wsl –install」とした場合、初期値である「ubuntu」を選択したことになり、その場合は最新のubuntuがインストールされるので結果としてUbuntu20.04 LTSが入ると思われます(未確認)。
このコマンド一つで「以前のインストール手順」で記載した1~5すべてが行われることになります。一通りのインストールが完了したら、案内に従って一度PCの再起動を行います。
wsl --install -d Ubuntu-20.04
WSLのリストおよびバージョン確認
再起動が完了したら、以下のコマンドでWSLのリストおよびバージョンを確認してみましょう。WSL2にUbuntu-20.04が入っていることがわかると思います。
wsl -l -v
Linux ユーザー情報を設定する
無事インストールが完了したらスタートボタンで「ubuntu」を入力して起動します。
最初の起動でユーザー情報を設定します。なお、ここで入力するユーザー情報はあくまで今回インストールしたUbuntu20.04のものでWindowsのユーザー情報とは関係ありません。そして、このアカウントは既定のユーザであり、管理者とみなされ、sudo (Super User Do) 管理コマンドを実行できます。また、今回とは別のディストリビューションをインストールした場合はそのディストリビューション用のユーザー情報を改めて設定することになります。
・Enter new UNIX username:(ユーザー名) 任意のユーザー名を入力します
・New password:(パスワード) パスワードを入力します(表示はされません)
・Retype new password:(パスワードの確認)パスワードを再入力します(表示はされません)
これでUbuntuを使用できる状態になりました。
パッケージの更新とアップグレード
Ubuntuは使えるようにはなりましたが、まだ最新の状態ではないため更新作業を行います。以下のコマンドを入力してください。
まず、「apt update」で更新するパッケージリストを検索し、「Do you want to continue?[Y/n]」と確認されますので、「Y」を入力することで「apt upgrade」が実行され実際の更新作業が始まります。
sudo apt update && sudo apt upgrade
更新作業が終了した状態。
エクスプローラを見てみると、左のツリー一覧に[Linux]-[Ubuntu-20.04]が追加されていることが確認できると思います。
Ubuntuの起動方法
1.スタートボタンから検索して起動
前述したスタートボタンで「ubuntu」を検索してクリックする方法。このとき右クリックで「タスクバーにピン留めする」を選んでおけばタスクバーからいつでも起動可能です。
2.Windows Terminalから起動
スタートボタンから「Windows Terminal」を検索して起動。この状態ではPowerShellの画面となっていますが、タブの右端から「▽」をクリックするとその中に「Ubuntu-20.04」があるので選択して起動可能です。
3.PowerShellからコマンドを使って起動
以下のコマンドでUbuntuを起動可能です。コマンドを実行したパスに合わせてUbuntu側のパスも切り替わります。
例えば、「C:\WINDOWS\system32」で実行した場合は「/mnt/c/WINDOWS/system32」で起動されます。
start wsl
4.エクスプローラから「wsl」を入力して実行
エクスプローラのアドレスバーに「wsl」と入力することで開いているディレクトリで起動できます。
Windows11とWSL2 Ubuntu20.04のアクセス
PowerShellからWSL2 Ubuntu20.04へのアクセス
PowerShellからWSL2 Ubuntu20.04上のディレクトリへは以下のコマンドによってアクセス可能です。
\\wsl$\Ubuntu-20.04
WSL2 Ubuntu20.04からWindows11へのアクセス
WSL2 Ubuntu20.04上からWindows11への各フォルダへのアクセスは/mnt直下にWindows11の各ドライブが配置されていますので以下のコマンドによって可能です。
/mnt/c
/mnt/d
...
以上でWindows11+WSL2+Ubuntu20.04のインストールについては完了となります。
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